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「天皇論」(小林よしのり著)を読んで

今回からしばらくは、この本について書きたいと思います。

そもそも、なぜこの本を読むことになったかというと、
友人から急にこの本を絶賛され、読むことを勧められたからでした。
なぜいきなり小林よしのりを絶賛しだしたのか、と動揺しながら
まず何が書いてあるのかを知らなければと思い、本屋で立ち読み。
ひと通りざっと読んでみて、これはじっくり読んだほうがいいと思い購入。

感想は、
◯マンガなので絵と言葉で訴えかけてくる力はすごい
◯それなりの説得力がある。田母神論文とは比較にならないほど強力
◯なので、この本を絶賛しちゃう人の気持ちも分かる

アマゾンの小林本のレビューも異常な絶賛の嵐になってるし。
(これには「ある明確な意思」があるのでしょうけど)
けどね、普通に読めば相当おかしい事を言っているんですよ。
そういうところはみなさん無視しているんでしょうか。

この本を読む上で大切なことは、
事実」と「単なる小林氏の意見・願望・想像」を区別すること。

これの見分けがつかないと、全てが本当のことに思われ、
「この本は正しいことを書いている」と作者の術中にはまってしまう。

そこで、ちょっと冷静になって読んでみませんかと
疑問点や矛盾点を指摘していきたいと思います。

続く
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ひとりごと(2)

最終投稿からすでに7ヵ月以上……。

書きたいことはたくさんあって、
次、何を書くかも決まっているんだけど……。

でもその前にブログの引越をしなければならない。
現在、引越先を検討中。時間がない。
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NHK台湾騒動(5)

ちょっと場つなぎの記事を…


柯徳三さんと並ぶメインの出演者、
蒋松輝さん(台北第一中学校卒業生の長老的存在)は
桜のインタビューで次のように答えている。

【台湾取材レポート】蒋松輝氏インタビュー[桜H21/4/21]

桜)台湾の方は、漢民族という意識はお持ちでなんしょうか?

「もともと言えば漢民族、これは否定できないです。
(中略)
もともとはもちろん漢民族だけど、
結局だんだん時代が経つにつれて変わっていく。
今になって我々は漢民族であると一概には言えません。」

桜)ご覧になってどんな感想をお持ちですか

「単語の言い方ね、言葉の使い方間違ってるところは非常に多いけど、

全体としては、私はべつに非はないと思います。」



言葉の使い方が間違っているからといって「NHK解体」まで叫ぶ
というのは、やはりどう見ても異常ですね。
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NHK台湾騒動(4)本当に?

■柯徳三さんは本当に怒ってNHKに抗議したの?

ちょっと前回の続き。

YouTube
【台湾取材レポート】柯徳三氏へのインタビュー[桜H21/6/15]より

この中で柯徳三さんは、以前に

「『NHKに抗議するような気持ちはありません』 と言いましたよ」

と発言されています。


他にもこんな発言を。

桜インタビュアー)
NHKの回答はこうなっております。
柯徳三さんが放送後、NHKに対して怒っているという事実はありません。
またNHKは、柯徳三さんから抗議も受けていません。
こういうふうに(へへへ…)笑

「私は1回も抗議したことありません」

桜)はいっ

「そしてまた、怒ってもいません」

桜)はいっ

「むしろあきれかえってる」


あきれかえってはいるが怒ってはいないそうです。
桜としては期待していた答えが得られず戸惑ったでしょうね。
そこで
「怒りを通り越してるってことですか?」
と誘導尋問するが…

「通り越してるって怒りようがないでしょ。 怒りようがないんだよ。 今私は台湾人ですよ、外国ですよ。 あたしが何しようがあんた勝手で、 あんた何言おうがあんた勝手で、そうでしょ」

と返される。
桜なおも食い下がる。
「怒りようがないという位怒っておられるわけですか?」

この問いはあえなく無視される。
結局「怒っている」という言葉を得ることはできません。

◯同窓会のインタビュー
発言の趣旨充分に反映していると考えている、とのNHKの回答は?
「その場の発言は、そりゃ充分にみんなの恨み言を並べたててるね。
こういうことはみんな当たり前のこと言ってるんだから分かるね」

◯編集の仕方について
桜の「悪質なやり方ですねぇ〜」との誘導尋問も、あえなく無視

◯桜の誘導尋問になかなか乗らない柯徳三さん
桜)NHKはこんなこと言ってるんですよ〜
「ほう、ほう……」

「はあ、はあ…、どうかね…」

「立場が違うからね」

桜)まあ、あの、とにかくもうこの問題はあの…

「あれはNHKの内部の問題で、 我々の知った事じゃないんだよ、本当は。

桜)な、何が事実かっていうことで、私たちはその右左ではなく柯さんの…

NHK全体がこう左寄りにやるならね、誰も干渉できないよ。

桜)……

台湾の政府がだんだん左に傾いている 誰も干渉できないのと同じだよ。 私一人じたばたしてもしょうがないことで」

◯NHKディレクターについて
「個人的には非常に穏やかな人でね、□□さんはね、
別にあまり厳しいところもないしね、
いろいろ質問してね、そのかわり注文が多いんだよね」
などと撮影時のエピソードを、自ら笑顔を交えながら語りだしたり。


まあ、桜はなんとか都合の良い言葉を引き出そうと必死なんだけど、
それが次々に空振りに終わり、それどころか否定されたり、
それでも必死に食らいつく姿が、見ていて痛々しかった
(もちろん成功する場面もありますが)

そして、このように6月13日の時点で答えていた柯徳三さんが、
この2日後の15日、NHKに抗議文を出すことになる。

普通に考えたら、何らかの力が働いた、と考えるのが自然ですね。



今まで見てきたように、

●「中共の息」発言だけを取り上げ、猛烈に怒っているかのような印象
●怒っていない、抗議するつもりもないと言っていた柯さんの抗議書
●「懐かしい」を「悲しい」と歪曲したとんでもない番組だとの主張

桜や産経が提訴やデモの原動力に活用しているこれらの主張が、
どうも怪しい、ということになればどうなりますかね?

提訴やデモに参加して「歪曲捏造許さない!」などと叫んでいる人たちは、
当然これらの事を知った上で(動画等を見た上で)の行動ですよね。

それならそれで構わないけど、
桜や産経の記事、それと全面広告だけ見て提訴を決めたなんて人、
まさかいないよね。
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NHKに台湾から抗議文?

■柯徳三さんは本当に怒ってNHKに抗議したの?

今回、チャンネル桜は
NHKの番組に出演した柯徳三さんにインタビューをして、

「私はHさん(NHKディレクター)に言うたんだ。
あんた、中共の息がかかっているだろう。(中略)
NHKは、北京に呼ばれてチヤホヤされて貢ぎ物もって行ったんだろう。
そう言ったんだ」

との言葉を得て、これを大々的に宣伝してNHKを攻撃している。
さらに柯さんと、同じく番組に出演した藍昭光さんの2人から
署名捺印されたNHKへの抗議文書を預かっている、としている。

これだけ見れば、ああ相当怒っているんだなと思うかもしれないが、
実はこれ、

チャンネル桜による立派な偏向報道

だと思うんだよね。

なぜか。
それは桜が行った柯徳三さんへのインタビューを見れば分かります。
柯徳三さんは何と言っているか。
もちろん、上に紹介した「中共の息が〜」という発言もしているし、
台湾統治時代の「いいところ」についてもしゃべっている。

しかし、全体の半分は桜の思惑とは逆の発言をしているのだ。
以下に少し抜き出してみる。

YouTubeより
【台湾取材レポート】柯徳三氏インタビュー[桜H21/4/21]より

桜)(番組は)政治的な意図みたいなものが感じてしまうんですけどね…

「私はなんも思わないけどね」

桜)(苦笑い)

「どう解釈しようが日本人の勝手だから」

桜)放送されて影響ありました?

「さかんに右よりの日本人の友達からたくさん電話クレームいただいた。
私は弁解がましいことはひとつも言ってません。
どういう具合に受け取るのはあんたたち日本人の勝手でね。
どういう具合にしゃべるのはわたしたち台湾人の勝手です」

「おそらく左よりの日本人の人あれ見て非常におもしろがってるかもしれん。
右よりの人たちガーガーガーガー言ってるけどね。
どうでもいいこと、あれはね。私は外国人だからね。

日本人がどう考えようとあんたの勝手で、そうでしょ。
私が何しようが私の勝手で。ああ、それだけです


こんな事も言っている。

「(NHKの取材では)いいこと悪いこと、全部(話した)。
これは日本人が見たら困る、悪く思う、そういうところは
削っても構わないよと言った
のにね、逆にそこだけのせた」

つまり、いいこと悪い事、両方公平に流さないと許さない、
なんてことは全く思ってないということ。
結果は逆だったけど。

チャンネル桜のインタビューにこのように答えている人が、
はたしてこの後NHKに抗議の文書を出すようなことをするのか?

という大きな疑問が浮上するわけです。

さらに何でも率直に語る柯徳三さんは、こんな暴露もしています。

「私の出版した本(『母国は日本、祖国は台湾』)はね、

いいこと悪い事たくさんあってね、
悪い事たくさんかいたけど本の中では全部削られた。

桜の花出版社はいいことばっかりとりあげた。

私はまるでとても日本さまさまだと考えてると、
そういうような印象受けるように書いてる



うわっ、桜さんダウン寸前です。
ここで突如インタビュー映像が中断されて、
チャンネル桜のスタジオ場面に切り替わり必死の言い訳。

そして、「柯さんからお電話いただきまして、(中略)
全部ではなかったというご本人のお電話がありました」と、
電話の音声を公開。


全部削ったんじゃなくて一部削ったという具合に直してくれたらいいと思います
桜)柯さんのご意思に沿わない形ではなくて、柯さんのご意思のとおりの本で…
じゃ、そうしてください、はい、はい


なんかすごい圧力があったと想像しちゃいますね。
自分が間違ってた、と電話をかけてきたとは到底思えないんですけど。
桜側から電話して、訂正発言して下さいと要求したとしか思えません。

似たような事は「NHKへの抗議文書」の件でも感じられる。

番組に怒った柯徳三さんと藍昭光さんの2人から
「署名捺印入りのNHKへの抗議文書」を預かっていると言っているが、
・2人の文書はワープロ打ちで同じ文面
・署名だけ直筆
ということから、どうみても

桜側があらかじめ文書を作成して、
2人に署名捺印をお願いした


としか考えられないんだよね。
ふたりで共同して作ったなら連名にして出すだろうし、
そもそも「NHKへの抗議文書」が桜の手にあるのがおかしいし。
(普通は直接NHKに送るものだ)

それにインタビュー冒頭で、番組の印象を
「プログラムそのものとしては非常にいいと思いました」
と答え、
「いいとこたくさん話したけど削られた」
と話すものの、そのことに怒っているという感じは一切しないんですよ。


本についても「全部削られた」とは言うけれど、
それについて怒ってはいない様子だし、抗議もしてないし…。

だからね、これらの事をふまえると

「めちゃくちゃ怒ってNHKへ抗議文書を出してもいいとおっしゃってる」
という桜の主張は

嘘である

との結論にしか達しない。

こういうのをやらせとか捏造とかって言うんじゃないの?

確実になったことは
柯徳三さんの著書『母国は日本、祖国は台湾』
台湾統治を正当化する材料には使えなくなったということ。

そして桜側はこの本で
都合の悪い事を(ほとんど)削って、いいことばかりとりあげて
日本の台湾統治を誉めたたえる台湾人がいる、
という印象操作を行っていたということ。
(著者が言っているのだから間違いない)

ねえ、こういうのを「大罪」っていうんですか?
桜さんももちろん「解体」するんですよね?

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