田母神騒動と文民統制

軍事部門（自衛隊）のトップにいる人間が、公然と政府の方針に異を唱える。
これって極めて危険な事だよね。

日本にも文民統制（シビリアンコントロール）というものがある。
軍は、国民が選挙で選んだ政治家（首相＝文民）に従わなくてはならない。
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歴代の内閣総理大臣は村山談話を踏襲している。
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田母神氏（軍トップ）は内閣総理大臣の方針に異議を唱え続けている。
隊内誌にも同様の趣旨の寄稿をし、統合幕僚学校校長時代には
彼の主張に沿うような歴史観の講座も新設していた。

これってもうクーデターの一歩手前だよね。

しかも辞職を求める防衛大臣に対し、拒否していた。
もちろんこんな事が許されていいわけがありません。
これを許していたら、そのうち「力」を使ってでも
主張を押し通そうとするかもしれません。
（実際、過去の日本でもありましたね）

自衛隊（軍）は、首相（＝文民）や議会の方針に

従わなければいけないんです。

これはルールなんです。民主主義の大原則です。
田母神氏は確信犯的にそのルールを破ったんです。
だから罰を受けるのが当然なんです、本来は。

「言論の自由」？「言論統制」？

大きなルール違反をしておいて何が「言論の自由」なのか。

文民統制の下では、自衛隊トップの人間が首相の方針に反対表明する自由はない。
例えば、他人の名誉を毀損するような発言をしておいて
それを「言論の自由だ」と言って許されますか？
内容や立場などによっていろいろと制約を受けるのです。
「言論の自由」を持ち出せば何でも許されるわけではないのです。
こんな事、誰でも分かります。

今回の件を何が問題なんだ？　と言ってる人は歴史を知らないのかな。

「政府の方針に従おうとしない軍の最高権力者」
が現れても全然構わないと考えているのでしょうか？
実力部隊が政府の方針に次々口を出してきたらどうなる？
ミャンマー、北朝鮮、戦前の日本……
軍事政権が出来てしまってから後悔しても遅いのです。

文民統制が崩れるきっかけを許してはいけません。

私は自衛隊に対しては結構信頼していただけに残念です。
あんな人がトップにいたとはびっくりです。

・田母神論文を読んで（１）
・田母神論文を読んで（２）前半
・田母神論文を読んで（３）後半
・田母神論文を読んで（４）

コメント 4

自衛隊の幹部さへも、この様な、不届きな行為をするのは、自衛隊を、”本来、文民統制を受けるべき軍隊”とは、思っていないのでは・・？自衛隊を”自衛軍”又は、”防衛軍”とキチンと、命名し、自衛隊員を”軍人”と認め、それなりの”処遇”をする事が大事では・・・。その上で、ガッチリ”文民統制”をかける。違反者は、諸外国に倣い、軍人として”厳罰”で、臨むことが、肝要では・・？現在の様に、身分が”あやふや”では、今回の様に、精神が腐ってしまいませんか？
by エイブ (2008-11-17 10:41) 

まったく同感です。
やはり立場上、発言が制約されることは止むを得ないでしょう。
でも論文の内容は、ほとんど間違ったこと書いてないんですよね。
これをきっかけに、一般国民も歴史などいろんなことに関心をもってもらえればいいと思います。
by おかだ (2008-11-19 10:46) 

＞エイブさま
なるほど。すごくまっとうな意見のような気がします。が、私は、
「身分があやふやだから精神が腐る。よって軍隊とすべし」
という論理は成り立たないと考えます。

◯身分や地位がしっかりしている人でも不届き者は続出している。
◯死刑制度を採用しても凶悪犯罪は起こり続けている。
◯正規の軍隊が過去にクーデターを起こしている。
よって「きちっと身分を与え、厳罰化で臨めば不届き行為はなくなる」という論は成り立たないと思われます。
by 管理人 (2008-11-20 01:36) 

＞おかださま
同感いただきうれしく思います。
今回、一番の問題点は、文民統制をないがしろにするような姿勢でしょう。
なので論文の内容とかアパとの関係とかにはあえて触れませんでした。
論文の内容については私とは見解が違うようですが、それはまた次回に…
by 管理人 (2008-11-20 01:57)